姉妹物語 13話
〜生徒会メンバー〜

竜宮たつき


「この3人って、考えられる中で最強のパーティーよね?」
「私は美月に連れてこられただけなんだけど?」
「いいじゃない。朱里だって来てくれたんだし」
「金一封だもの。かおりちゃんに何かプレゼントしようかと思ってね」
「ほんと好きね。ま、私の塔子のほうがかわいいけど」
「何を言うの、アタシのフェイトが一番よ」
「「「………」」」
「それより、探しましょうよ」

 生徒会の三年トップ3、美月と楓と朱里、三人が一堂に会していた。
 美月の手には新聞部が発行している新聞が握られており、楓と朱里は突然メールで美月に呼び出されていた。

「それなら大丈夫。当てはつけてあるから」
「どういうこと?」
「ま、これを見てよ」
「新聞? 『私のチケットはあるべき場所に 梨子々より』って、理事長も賞品提供してるの?」
「亜矢ったらやるわね。きっと奈々緒様のいないときにでも、話を通したんでしょうけど」
「それよりこのヒント、出したのも理事長なんだよ」
「理事長、リコさんも相変わらずだね」
「あ〜、でもそこまで分かってるんなら、1人で行けば良かったんじゃない?」
「やっぱりさ、1人で簡単に見つけちゃうと答えを知ってたんじゃないの、ってなるじゃない?」
「「あ〜」」
「それにさ、普段から頑張ってくれてるみんなに楽しい休日をプレゼントしたいのよ」
「それじゃあ沙羅ちゃんは?」
「あの子はね……」

 説明の途中に美月の真っ赤な携帯が鳴り響いた。
 ディスプレイには沙羅の名前がある。

「そういうこと……、もう少し私たちにも手伝わせなさいよ? タダでもらうみたいじゃない」
「いいのよ、感謝の印だし、それにアタシもいくらかもらうし」
「ま、とりあえず、沙羅ちゃんのところに行きましょうか」

「どう? 理事長は中?」
「はい、さっき会ったので世間話ついでに今日の予定を聞いてみたのですが……」
「理事長室にいないといけない」
「はい、楓様。そう言っていました」
「じゃ、チケットをいただきに行きましょうか」

「あれ? 生徒会の面々じゃないか。君達も参加できたの?」
「まあ、自分が出した賞品はダメらしいですが。まあ、私たちは使わなくなったものを出しただけ、だけれど」
「ならリコも出たかったな〜、宝探し」
「理事長はここにいなければならないのでしょう?」
「まあ、そうだけど。一応は聞いておこうか? リコのチケットの場所は分かってるんだよね?」
「もちろん。理事長がお持ちなんでしょう? あるべき場所、それは理事長が出す物だから理事長が持ったまま、ということでいいでしょうか?」
「ふふ、正解♪ さすがに生徒会は頭が回るね」
「みんなで協力した結果ですわ」
「言うじゃん、美月ちゃん。ほんとはほとんど1人でその結論にいきついたんじゃないの?」
「……理事長にはまだまだ敵いませんね。しかしこのことは……」
「大丈夫だよ、みんなで来たんだから。フェイトちゃんがいないけれどね」
「あの子はお父上がこっちに帰ってきているらしいので、帰らせました」
「そっか。じゃあこれはチケットね。亜矢ちゃんに見せればリコからの賞品、金一封がもらえるはずだから」
「「「「ありがとうございます」」」」

 手を振り見送る理事長、梨子々とその秘書、奈々緒に一礼をして4人は理事長室を出た。
 亜矢から受け取った金一封は4人で等分し、それぞれの休日の資金になった。

「ふふ、美月ちゃん早かったね?」
「開始から一時間は待っていたんでしょうね? それでも他には誰も来なかったけど」
「これから来る子たちはどうするんですか? もうチケットはありませんよね?」
「お茶でも出してあげようかな。いいお茶入ったし、お菓子でも用意してあげて、ね?」
「分かりました、準備してきましょう」
「よろしく〜」

 梨子々はゲーム機を起動しながら手を振り、奈々緒はため息まじりに給湯室に向かった。
 しばらくして、2組が来客、梨子々はお茶とお菓子を楽しみながら午後のおしゃべりに興じた。

『会長の志』
 



14話も読む

トップページに戻る

書棚に戻る

掲示板へ行く

inserted by FC2 system